ごあいさつ
まちライブラリー提唱者からのごあいさつ
2012年9月25日付の読売新聞2面「顔」の欄に私が登場しました。本当に気恥ずかしいというか、恐縮しています。
このコーナーは、全国版であり政治、経済の時代を象徴するトピックにおけるキーパーソンを紹介する欄といわれています。企業広報を経験した人であれば、社長をここに取り上げてもらいたいと働きかけたことがあるでしょう。私もそれに奮闘し、非常に難しいことを痛感しました。
そんなところに掲載されたのは、もちろん、私が素晴らしいからではありません。全国でまちライブラリーを作ろうと立ち上がった人々、それをサポートしようと集まった人々、こうした全ての人の想いと行動が、これからの時代にとても大事な一石を投じるだろうという期待の表れだと思っています。
この記事のきっかけは、奈良県立図書情報館で「まち塾@まちライブラリー」のお話をさせていただいたことです。「まち塾@まちライブラリー」プロジェクトを後押ししてくれた友廣裕一さんがイベントのモデレーターを務めることになり、私をスピーカーとして招待してくれました。そして、このフォーラムに参加していた読売新聞の高野光一郎さんが私の活動に興味を持ち、東京で開催したまちライブラリーの活動に頻繁に顔を出してくださいました。こうしたまちライブラリーを応援しようという皆さんの心意気が記事の掲載につながったのだと感じています。本当にありがとうございます。
私たちは、ゆるやかな長い下り坂を歩いているような時代にいて、何か自分たちにこの流れを変えることはできないか、と思っている方々が少なくありません。しかし、何から始めたらいいのか、その糸口が見つからず行動にまで至らないことも多くあるでしょう。
まちライブラリーは、「やってみたい」と思っている人の背中にそっと手を置いてあげる存在でありたいと思っています。悩んでいる人、模索している人、新たな出会いを求めている人、真摯に生きようとしている人、何かを始めようとしている人、こうした人々にとってまちライブラリーの試みが一歩を踏み出す勇気となれば嬉しく思います。
一つ一つは小さいけれど、志のある活動を応援していきたいと考えています。
これからもどうぞよろしくお願い致します。
礒井 純充
- まちライブラリー提唱者
一般社団法人まちライブラリーについて
◉代表理事
礒井 純充(いそい よしみつ)
1958年大阪市生まれ。
大阪府立大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士。
1981年、森ビル株式会社に入社し「アーク都市塾」「六本木アカデミーヒルズ」などの文化・教育事業に従事。取締役広報室長などを歴任。
2011年に「まち塾@まちライブラリー」を開始。以降、「まちライブラリー」の提唱者として活動の運営・サポートを行う。
2024年、第24回図書館サポートフォーラム賞を受賞。
著書に、『マイクロ・ライブラリー図鑑』(まちライブラリー、2014)『本で人をつなぐ まちライブラリーのつくりかた』(学芸出版社、2015)『ブックフェスタ 本の磁力で地域を変える』(共著、まちライブラリー、2021)『「まちライブラリー」の研究――「個」が主役になれる社会的資本づくり』(みすず書房、2024)などがある。
◉理事
里形 玲子(さとがた れいこ)
1965年東京都生まれ。
森ビル文化事業部所属時に礒井代表と出会う。
2011年の「まち塾@まちライブラリー」立ち上がり時代より、事務的なサポートとして参画。
2021年から北海道と東京の2拠点での活動開始。千歳市を中心にした北海道と、本部総務を担当している。
株式会社ラゴム代表として、「コミュニティ」に関するアドミニストレーション、大学の社会人教育の企画運営業務も行なっている。
◉理事
友廣 裕一(ともひろ ゆういち)
1984年大阪生まれ。
大学卒業後、就職活動をせずに日本全国70以上の農山漁村を訪ねる旅へ。その後とある勉強会に呼ばれた縁で、まだもやもやしていた頃の礒井氏と出会い、好奇心のままに共に旅をし、対話を重ねていたら”まちライブラリー”という活動の原型が生まれていった。その関係で理事という御役をいただく。
他には、東京墨田区の下町エリアにてつくる人とたべる人がつながるマーケットを立ち上げたり、東日本大震災後には宮城県石巻市・牡鹿半島の漁家の女性たちとともに弁当屋や、鹿の角を使ったアクセサリーブランドなどの事業を立ち上げる。また、農家がつくる日本酒プロジェクト、コミュニティナースカンパニー、DOOR to ASIAなど、全国各地の仲間たちの伴走役として様々な事業やプロジェクトを共にはじめてきた。
現在は合同会社シーベジタブル共同代表として、個性的な仲間たちと共に海藻の研究・生産から新たな食べ方の提案まで行っている。日本各地の海に潜り、海藻はもちろん、海の現状についても現場で学んできたことで、最近はすっかり海藻の人として活動中。
◉特別顧問
橋爪 紳也(はしづめ しんや)
大阪公立大学研究推進機構特別教授、大阪公立大学観光産業戦略研究所所長。
京都大学工学部建築学科卒、大阪大学大学院工学研究科修了。建築史・都市文化論専攻。工学博士。
創造都市や都市文化施設、盛り場や商業施設に関わる総合的な研究を展開、各地で観光政策の立案、市民参加型のまちづくり、地域ブランディング、イベントプロデュースを実践する。「まちライブラリー」の名付け親でもある。
『明治の迷宮都市』『日本の遊園地』『集客都市』『モダン都市の誕生』『飛行機と想像力』『にっぽん電化史』『都市大阪の戦後史』『大阪の教科書』ほか著書は100冊以上。日本観光研究学会賞、日本建築学会賞、日本都市計画学会石川賞など受賞。
◉特別顧問
金子 淳子(かねこ じゅんこ)
金子小児科院長、かねこキッズクラブ代表、一般社団法人キッズラップ代表理事。
山口県小児科医会副会長、日本小児科医会社員総会議長、山口大学医学部臨床講師、赤ちゃん成育ネットワーク事務局長、日本母乳バンク協会専門委員、山口県こども食堂・子どもの居場所ネットワーク代表。
山口県宇部市出身。1989年島根大学医学部卒業、同年山口大学医学部小児科学講座に入局。国立小児病院新生児科レジデントを経て、1994年山口大学周産母子センターで新生児の診療に従事。1999年山口県宇部市で開業。
山口県宇部市で子どもたちを中心に多世代の人たちが集い、子どもたちが健やかに育まれる地域づくりを目指し「みんにゃ食堂」を開設。2021年子どものためのサードプレイス「キッズラップ」を創設し、「まなぶ・あそぶ・たべる」場の提供などの取り組みを通して、すべての子ども・若者が夢や希望を思い描くことのできる社会の実現を目指している。
まちライブラリーの歩み
- 2008年
- 2地下鉄谷町線天満橋駅近くのISビルの一室に礒井自身の蔵書1500冊を集めて「ISまちライブラリー」と称する。
- 2010年
- 師匠 友廣裕一さん、師匠の師匠 友成真一教授と出会う。師匠とともに全国行脚し「まち塾@まちライブラリー」の構想を温めていく。
- 2011年
- 第一回「まち塾」の開催。以降、「まち塾@まちライブラリー」を提唱し、現代版寺子屋「まち塾」とその活動拠点「まちライブラリー」の設置を呼びかける。
- 2011年10月
- 第一号の「まち塾@まちライブラリー」としてISまちライブラリーをリニューアルし、再スタートする。
- 2012年
- 大阪府立大学とともにまちライブラリー開設に伴う研究会を実施
- 2013年
- まちライブラリー@大阪府立大学がスタート マイクロ・ライブラリーサミット2013を発案、まちライブラリーが運営を担当する。
- 2014年5月
- 『マイクロ・ライブラリー図鑑』を刊行。
- 2014年8月
- マイクロ・ライブラリーサミット2014開催。 リトル・フリー・ライブラリー創始者 トッド・ボルさんを特別ゲストに招聘。