まちライブラリー提唱者の礒井純充が、『「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり』 を、2024年2月1日に、みすず書房から出版いたしました。
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書評紹介
「個人が無力感を感じがちな時代であるがゆえに、自発的な「個」の活動が生かされやすい社会をつくっていく必要があるが、その実現のためのヒントが数多く示されている」
個人から社会の共通資本へ
全国1000か所超の私設図書館 個人が本1冊から始める社会改革
「本の活動と個が生きやすくなる社会の関係とは?――「本を通して人と出会う」まちライブラリーと、組織や社会での自分ではなく「個」に焦点を当てるもう一つの椅子の活動とが重なり合う」
「紆余曲折を経て著者自身が獲得した問題意識と活動原理が、今日的な視点と信念に貫かれている点が魅力の一冊である」
「社会の発展や持続には、組織力も計画性も不可欠であることを熟知している著者は、それでも人間が生きる意味や「共感」で紡がれる社会への理想を主張する」
図書館サポートフォーラム賞受賞
まちライブラリー提唱者の礒井純充が、第24回図書館サポートフォーラム賞を受賞いたしました。
図書館サポートフォーラム賞は、図書館の価値、意義を社会に広く訴えるなどの活動をした個人に対して贈られる賞です。
▪️表彰理由
礒井純充氏は、2008年大阪天満橋駅近くのビルの一室で自身の蔵書1,500冊で「まちライブラリー」を開始し、「まち」で働き、生活する人々が、「まち」を自分の目線で活き活きとさせるための塾「まち塾」と「まちライブラリー」(学びあいの場)を提唱実践する過程で、ひたすらミクロにこだわって、日本におけるパブリックなライブラリーの実態とイメージに大きな刺激を与えるとともに、その戦後日本の民主的図書館像への果敢な揺さぶりは、著書『「まちライブラリー」の研究―「個」が主役になれる社会的資本づくり』(みすず書房、2024)にまとめ、その功績は、まさに図書館サポートフォーラム賞にふさわしく、高く評価して表彰するものである。
▪️礒井純充ごあいさつ
⼩さな私塾として初めた⽂化活動が企業で⼤きく育ったが、⼈事異動で離れることになりました。ライフワークは組織のなかではできず、⾃分のなかで⾃分の活動は育てていかなければいけないことに気付かされ、いろんな模索をして 2008 年に⽣まれ故郷の⼩さなビルの⼀⾓で「まち塾@まちライブラリー」をたちあげました。本当の仲間と⾃分が受け⼊れられる場所を作りたいとはじめました。10 数年経ってみたら、⾃分と同じ気持ちのある⽅が⾃分の活動として広げていってくださって 1100 を超えるまちライブラリーになっています。
私が始めた活動ではありますが、いろいろな思いのある⽅たちが、活動を広げてくださったし、広げたというよりは⾃分の活動としてやっておられる。それは決して⼤きな⽬標ではなく、ちょっとだけ⼩さな夢を実現させようとして歩いていらっしゃる、その道具として「まちライブラリー」があったのではないかと思います。そこには「本」が持つすごい⼒があった感じがします。今回の受賞を糧にして、ひとりでも元気になってもらえるように頑張っていきたいと思います。ありがとうございました
図書館サポートフォーラム賞のウェブサイトはこちらから。
まちライブラリーのリリースはこちらからダウンロードしていただけます。
出版記念イベントの紹介
『「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり』 の出版を記念して、日本各地の書店や図書館、カフェ、まちライブラリーで出版記念イベントが開催されました。
出版記念イベントから、いくつかの講演レポートを掲載いたします。
2024.2.25
「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり
出版記念の集い 蓼科親湯温泉 みすず Lounge & Bar
『「まちライブラリー」の研究 「個」が主役になれる社会的資本づくり』の出版社であるみすず書房とゆかりの深い蓼科親湯温泉のみすず Lounge & Bar にて、2024年2月25日に出版記念の集いが開催されました。
▪️蓼科親湯温泉 みすず Lounge & Bar 礒井純充講演
今⽇は雪の中、北は北海道の⽅、⻄は下関の⽅、 それから⼤阪からは⾼校⽣も来ていただいて、 私にとっても嬉しい⽇です。今⽇のこの⽇を誰かが第⼆の結婚式か⽣前葬かって⾔ってましたけど、私にとってハッピーな時間となりそうです。 まさか、 みすず書房さんから⾃分の本が出せるなんて、 今まで考えたこともなかったんです。数年前に企画書を出させていただいてから、それを⾟抱強く育てていただいた編集者の⽅がいらっしゃって、何とか上梓することができました。
こんな⼭のなかへ来ていただいた理由の⼀つが、ここ蓼科親湯温泉は 2018 年から「みすず Lounge &Bar」と呼ばれている本の場があるからです。今⽇は残念ながら親湯温泉の社⻑さんは所⽤でお越しいただけないんですが、 ここにあるほとんどがその⽅の蔵書で、今 3 万 5000 冊ぐらいで、約 2 万冊が社⻑の柳沢さんの蔵書と聞いています。 なぜみすずラウンジかというと、ここ⻑野県茅野市は、 みすず書房創業者の⼩尾俊⼈さんのご出⾝地なんです。またこの⼭を越えた諏訪市は岩波書店創業者、岩波茂雄さんの出⾝地で⽇本を代表する⼈⽂科学系の本の出版社がこの地域から出てきたっていうことは感慨深いです。今⽇みたいな会がこの地でできるのは本当にありがたいことです。
蓼科親湯温泉には、 この本を書く5 年ほど前に来ました。 ちょうど冬の時期で、 この本気の本棚をみて、 社⻑の思いが伝わってきました。 私がいつかみすず書房で本を出せることがあればこの⼀⾓に私の本も置いてもらえますかって社⻑に聞いたら、いいですよって⾔ってくださったので、それを励みに⼀⽣懸命書きました。・・・
講演詳録のつづきはこちらからダウンロードしていただけます。
当日の様子をぜひご一読ください。