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第5回オーナーズフォーラム(2021年6月2日)報告

開催日
2021年6月2日
開催ライブラリー
オーナーズフォーラム

各地で展開中のまちライブラリーは、場所も運用の仕方も実にさまざま。5回目のオーナーズフォーラムには、自宅前で巣箱型のライブラリーを運営しているオーナーと、台湾でまちライブラリーに挑戦しているオーナーが登場しました。

それぞれが感じているやりがいや課題などが発表され、参加したオーナーのみなさんに新たな気づきを得る場となった様子です。またフォーラムの後半では、9~10月に開催予定のイベント「ブックフェスタ・ジャパン2021」で行うワークショップについての意見交換を行いました。

参加者の皆さんからのアイデアを生かして9月に向けて準備を進めていきますので、引き続きご協力をお願いします。

 

自宅前に巣箱 子どもや高齢者らの「縁側」をめざして

北海道北広島市の塚田真理子さんは、図書館司書と博物館の学芸員として働いた経験を生かして2019年から巣箱型のまちライブラリー「Little Free Library&Museumちいさな帆」を運営しています。自分が得た知識や情報を、身近な人たちと自由に共有したいという思いなどから活動を始めたそうです。

巣箱の設置場所は、自宅前の道路沿いです。人通りがあるところを選んだのは、子どもには学校の帰り道に、お年寄りには散歩がてらに寄ってもらうためで、縁側のように座れるデザインを自分で考えたそうです。

巣箱を利用できるのは原則、晴れた日と日中(雪が積もらない4~11月)で、「ちいさな帆」と書かれた白い帆布が利用できるかどうかの目印になっています。

 

ライブラリーの名前について塚田さんは「帆は、風をはらむと動きますよね。私の活動は小さいけれど、誰かの琴線に触れたり、誰かが動くきっかけになったりといった存在になりたいと思っています」と由来を説明しました。

また貸し出しのルールは簡単です。利用者が借りたい本を選んだら巣箱の中にある貸出カードに名前などを書き残し、約2週間以内に塚田さんの自宅ポストに返却するという仕組みです。

スタートから3年目に入り、貸し出し冊数が増えると同時に、子どもや高齢者が立ち寄る機会が増えてきました。また本にはオリジナルのしおりを挟んでいて、本の持ち主のコメントや、本を借りた人の感想などを書き込めます。塚田さんはこうしたコメントや感想にかけがえのない「価値」を感じ、デジタルアーカイブをするとともにWeb上で公開しています。「しおりというアナログ情報とデジタルを掛け合わせて、今後の活動に生かしていきたいです」と話しました。

 

図書館×博物館 経験生かしてオリジナルの活動模索

さらに塚田さんは、図書館の活動に加えて2020年春からは博物館活動として「自然観察会」をスタート。その際、図書館と博物館の取り組みを掛け合わせようと、自然観察をする前にテーマに合った本を1冊読んでいます。例えば種の観察では「たねがとぶ」の絵本といった具合に進め、自然の中で本を読むことで本に対する理解が深まるとともに、その後の自然観察への関心も高まるという手ごたえを感じています。
一方で、活動の課題として、塚田さんは自宅を利用していることから蔵書数には限りがあるため、利用者にとって新鮮味が欠けていくことや、活動の自立性や将来性などを挙げました。最後に「図書館や博物館関係者の人たちとのネットワークを模索したり、オリジナルのミュージアムグッズを作ったりなど、新たな取り組みを考えています。個人の活動なので、つらいと続きません。自分が楽しいかどうかを基準にこれからも続けていきます」と締めくくりました。

 

絵本の効果実感 台湾でまちライブラリーに挑戦

続いての発表は、まちライブラリー@台湾の清家直美さんです。絵本を収集している清家さんらしく、一つのものから様々なアイデアを繰り出すサルが登場する絵本の読み聞かせを披露しました。清家さんは「この絵本のように、私も発想豊かに変身していきたいと思っています」と話しながら、まちライブラリーを始めた経緯や活動などを紹介しました。

清家さんは、台湾で外国人の幼児向けに日本語教師をするかたわら、子育て中のママでもあります。絵本を通してたくさんの言葉と出会うことは、子どもの発育や学習にも効果があると実感し、絵本の収集を始めたそうです。いつのまにか蔵書は600冊を超え、社会に還元できないかと思っていたときに一時帰国。実家がある北海道千歳市のまちライブラリー@千歳タウンプラザ(※現在は廃止)を偶然訪れたそうです。「子どもたちのキラキラした笑顔が印象的でした。さらに地域の人たちの情報交換の場となっている様子を見て、私の絵本もこのように使えるかもしれないと思ったんです」。台湾に戻った清家さんは、カフェを併設したまちライブラリーを始めました。

 

文化の違いに戸惑いながら活動展開中

まちライブラリーの運営にあたっては台湾ならではの事情があるようで、清家さんは「現地の人たちは、借りたら返すという感覚があまりなくて……。公立図書館では返却が1日遅れると、その後30日間借りられないという厳しいルールがあるほどです」と苦笑い。

そのため、清家さんのまちライブラリーでは利用にあたっては会員制とし、絵本1冊分ほどの金額をデポジットとして預かっているそうです。また、日本では絵本は親子の時間をより豊かにするものとして考えらえることが多いのですが、台湾では時間つぶしに使う人もいて、絵本に対する考え方の違いで文化の壁を感じるという悩みも明かしました。

ライブラリーでは貸し出しのほか、日台の子どもを集めた読み聞かせを行ったり、コロナ下ではオンラインで絵本を使ったクイズなどを楽しんだりといった活動を展開しています。また現地のツタヤとコラボして絵本のイベントを開くなどライブラリー以外でも活動を広げており、「これからも絵本を通して素敵な出会いを生んで、人をつないでいきたいと思っています」と話しました。

 

本棚紹介、海外文学、わらべうた……アイデア続々

フォーラムの後半では、秋にオンラインを中心に開催予定のイベント「ブックフェスタ・ジャパン2021」の中で行うワークショップについて、参加者のみなさんから意見を募りました。

大阪市内で運営している巣箱型のまちライブラリー「ぐうたら文庫」の運営者は「人の本棚を見るのは楽しいので、各ライブラリーの本棚の様子を見ながらこだわりや特徴などの話を聞いてみたいです」と提案しました。また津市のコミュニティハウス内でまちライブラリーを開いている「ひびうた文庫」では、今年から月1回、海外文学に親しむイベントを開催していることを紹介。各国の代表的な文学を読んで語り合っていると言い、これまでにシェイクスピアやチェーホフの作品を読んだところ参加者同士で盛り上がったそうです。「馴染みの無い国の文学や各国の絵本など、普段接しない作品に触れるのは面白いので、ブックフェスタ・ジャパンのイベントを通して色んな人から作品を紹介してほしいです」と話しました。他には、オンラインでわらべうたを楽しむ案や、感染症対策を取りながら芝生の上で絵本に親しむイベントなどのアイデアも。

 ブックフェスタのクロージングイベントである、「マイクロライブラリーサミット」参加者の募集も始まりました。

いただいたご意見を参考にしながら、オーナーの皆さんと一緒にイベントを作っていきたいと思っています!

 

アンケートへのご回答、ありがとうございました!(回答11件)

Q1 イベントの満足度を教えてください。1.非常に不満 2.不満 3.普通 4.満足 5.非常に満足の5段階

Q2 イベントで参考になったことや、印象に残ったことを教えてください。

・図書管理をもう少ししたほうがいいかな。と思いました。

・みなさんすごい熱意を持って活動されてるんだなぁとびっくりしました!

・「小さな帆」さんの活動は、非常にしっかりした理念のもと、利用者さんにも使いやすい方法で運営されていて、参考にさせていただきたいなと思いました。

・毎回各地のまちライブラリーのオーナーさんのお話を楽しみにしています。きっちりと目標を立ててデザインした運営をされているちいさな帆さん、台湾のお国柄に合わせたまちライブラリー@台湾さん
本当に多様性が面白いですね。

・発表された2館のまちライブラリーの方の運営の工夫、提供ではなく共有との言葉。

・ちいさな帆さんの、コツコツした作業

・「ちいさな帆」塚田さんの「文化のお福分け」と、営利でなく自身の豊かさのために活動する姿勢が素晴らしいと思いました。台湾の清家さんは、文化の継承に貢献なさっていて、お国柄の違いも考慮されているところが興味深かったです。

・本とその内容に関する事を実体験に結びつける、博物館の学芸員の方のお話はとても刺激になり、理想的な発想だと憧れました。
でも、かなりな準備が必要だから、自分の軸、情熱がかなりだと思います。フォーラムに参加していつも思うのは、別に大がかりに本や環境を整えなくても、気軽に自分なりの規模でライブラリーを開いてもOKということを知りました。また、リモートもPCは苦手な私ですが、少しずつ慣れている気がして
有り難いです。世界が広がっている気がします。

・やっぱり自分の強みを見つけることが大事だと痛感しました。さて。わがまちライブラリーの強みは何だろう?

・日本国外のまちライブラリー

・ご自身の活動をまとめる事も大切なのだと感心しきりでした

 

Q3 イベントをお知りになった媒体を教えてください(複数回答可)。

Q4 今後のオーナーズフォーラムで取り上げて欲しいテーマや開催する曜日・時間帯、ご自身が発表したいなど、イベントにまつわるご要望を何でもお知らせください。

・ブックフェスタで子供向けイベントをしていただけたら、嬉しいです。日中の絵本読み聞かせや子供関連の遊びでしたら、喜んで引き受けます。

・特にありませんが、それぞれのオーナーさんが近くのオーナーさんと繋がり、
広げていけたら楽しいかな、と。

・みなさんが普段どんなイベントを開催されているか知りたいです。今回の二つのライブラリーの取り組みも面白いと感じました。

・オンラインで開催していただけてとてもありがたいです。時間は今のような平日夜なら参加しやすいです。

・いつも刺激を与えていただいております。

・ちいさな帆さんが、これ以上本を増やせないといっていたので、みなさんどれくらい本をライブラリー用や自分の蔵書用に持っているのか

・活動する中で、困ったことやその対処法を知りたいです。
お世話になりました。初めてでしたが、参加出来てとても良かったです。子供が近くにいたので、ビデオをオフにする場面もあり、失礼しました。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

・オーナー間のネットワークの作り方

・ 孤立しないようにミーティングを続けていただきありがとうございます。あの後BOOK FESTA について当ライブラリーでも話し合いました。わらべ歌実践プログラム30分〜45分なら可能です (日程によりますが)。又 日中に会議を開いていただけたら、協力スタッフと一緒に参加出来ます

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