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第7回オーナーズフォーラム(2021年8月21日)報告

開催日
2021年8月21日
開催ライブラリー
まちライブラリー

■第7回まちライブラリーオーナーズフォーラムレポート

 

「まちライブラリーで旅しよう」

まちライブラリーのオーナーたちが情報を交換する「オーナーズフォーラム」の7回目を8月21日にオンラインで行いました。事前に提供していただいた写真を見ながら、全国各地でそれぞれのオーナーが運営するまちライブラリー周辺の様子を紹介しました。

第一部の事例紹介では、静岡県伊東市と宮崎県小林市でまちライブラリーを運営する2人のオーナーが登場し、設立の経緯や運営の工夫などを紹介しました。

第二部の「まちライブラリーで旅しよう」では、旅情を感じるだけでなく、写真を通して様々な状況を伺うことが出来ました。

 

 

季節の花々、近くの図書館…お気に入りのスポットを紹介

スタジモにしのみや(兵庫県西宮市)の草間さんは、「阪急西宮北口から徒歩3分くらいのところにある商業施設です。屋外には広場もあり、子どもたちで賑わっています」と、広場の様子を送ってくれました。

「公園に挟まれていて、高齢者の方には良い散歩コース。夏は涼みがてらコミュニティセンターに来て新聞を読んで帰るというのが日課になっている人が多いです」と話すのは、なんぶまちライブラリー(大阪府守口市)の福山さん。

はるのうたまちライブラリー(兵庫県芦屋市)八幡さんは、お店の近くにある芦屋市立図書館の分室を紹介。「この辺りは打出の小槌とゆかりのある土地。作家の村上春樹さんの作品には打出分室や、分室裏のサルの檻がある公園が出てくるので、お客さんに案内している」と話してくれました。お気に入りだという「打出天神社」には、打出の小槌の石碑があるそうです。

 

コロナ禍の現状

中には、コロナの影響についてのエピソードを語ってくれる方も。つるがしまどこでもまちライブラリー(埼玉県鶴ヶ島市)の砂生さんは、市役所から見た景色とともに、「まちライブラリーはコロナで1年以上閉鎖しており、5回ほど再開の起案をしているものの、交渉の途中で挫折しているのが現状です」と話してくれました。

また、兵庫県養父市のももかまちライブラリー・河辺さんは、「コロナ下でカフェやまちライブラリーが機能しないことを悩んでいたところ、お寺でスタッフが描いたお地蔵さんの絵の展覧会を開くことができた」と、様子を写真で送ってくれました。

 

これからのイベントや再開のニュースも

千歳市からは市民の思いによりまちライブラリー再開が決まったニュースが届きました。

また、まちライブラリー@もりのみやキューズモール(大阪府大阪市)の川上さんは、建物の上にあるエアトラックを紹介してくれました。このエアトラックをみんなで走り、長野県茅野市を目指す企画がこの秋開催されます。

 

事例紹介①うさみみまちライブラリー(静岡県伊東市) 鈴木真紀子さん

宇佐美は静岡県伊東市というところにあって、熱海市と隣接しています。山と海に囲まれて、自然の他には何もないような街です。

私は東京と宇佐美の2拠点生活をしていて、そこで都会にはない豊かさを感じるようになった。伊豆で一番暮らしやすい街じゃないかと思うようになり、うさみみを作りました。

 

うさみみまちライブラリーは地域活性団体「うさみみ」が運営しています。2020年1月に定住促進を目的に発足。宇佐美のすばらしさを情報発信したり、宇佐美に関わる人たちとの交流・コミュニティを形成しています。その事務所を無料図書館として開放して、まちライブラリーを作りました。

うさみみの組織としては、事務局の他に、地元をよく知るエキスパートスタッフと、司書の資格を持ったり、地域活動に携わっている専門家などのアドバイザースタッフ、専門技術を提供してリアルなものづくりをするクリエイティブスタッフがいます。ウサミミストと呼ばれる方たちは利用者で、気軽に活動に参加していただいています。

 

無人でも、人の気配を感じるライブラリー

まちライブラリーは無人です。入口に利用説明書を置いていて、それを読んで使ってくださいというスタイル。まちライブラリーにある本は、郷土の伊豆にまつわる歴史や文化、地理の本のほか、伊豆の作家さんが描いた絵本が多いです。

スタッフはいないのですが、なんとなく人を感じるような、会わなくても人の気配を感じるというのは自分たちらしいなと思っている。石ころアートをしている人は素敵な石を置いていっているのだけれど、私はまだその方にお会いしたことはないんです。直接の交流はなくても、どこかでゆるく利用者がつながっています。

地域の方とつながることができたので、例えば津波や自然災害についてのシルバー世代の体験を本にまとめるなど、何か一緒に出来ることを考えています。もう一つは「地域を超えてつながる」ことです。まちライブラリーのオーナーのみなさんとこうやって繋がることができたので、一緒にできることがあったらぜひお願いしたいと思っています。

 

 

事例紹介②まちライブラリー@TENAMUビル(宮崎県小林市) 白谷篤さん

宮崎県小林市という場所は、星、花、ホタル、湧水が有名な街。お肉も有名なので、牛とコスモスを模したキャラクターのコスモがいます。人口は4万人の小さな町です。そしてTENAMUビルというところは、6年前にシンボル的なスーパーが閉店後「中心市街地にもう一度にぎわいを」ということで会社を立ち上げ、スーパーの跡地に作った交流拠点です。TENAMUの由来は、宮崎の方言です。手をつないで一緒に歩くという意味。「てなんでいこう」というと、一緒に行こうという意味です。

どうやってコミュニティを作るか考える中で、まちライブラリーを知り、本に付けたメッセージを媒介にしてつながりが生まれるきっかけになるのではないかということで始めました。本を起点にイベントや講座を開いています。この交流スペースは小林市の公共施設となり、面積は約360㎡、寄贈本数は約4000冊。寄贈する方が増えていて、蔵書は5000冊になりそうです。

 

本に興味がない人にも興味を持ってもらえるように

つながり作りの仕掛けとして掲示板を置いて、開催してほしいイベントや欲しい本、イベントの中身などを、掲示板を通して来場者に聞いています。問いかけに対して「いいね!」シールを貼ってもらっています。

また、小林市民大学という、生涯学習講座を定期的に、月2回くらい開いています。テーマは国際交流と健康です。図書館というよりコミュニティスペースの機能が強いので、わいわいとイベントも開いています。去年のブックフェスタでは、本を使った朗読劇を行いました。

今後は本を中心にしたコミュニティや本について語るイベントをもっと開きたいと思っています。本に興味がない人にも興味を持って参加できるものを考えていきたいです。またインスタグラムを活用しての音楽イベント、小林市立図書館とコラボして絵本や図書館カードつくりのイベントを実施しました。インスタグラムもぜひフォローしてください!

 

アンケートへのご回答、ありがとうございました!(回答13件)

Q1 イベントの満足度を教えてください。1.非常に不満 2.不満 3.普通 4.満足 5.非常に満足の5段階

Q2 イベントで参考になったことや、印象に残ったことを教えてください。

・まちライブラリーの形態が様々なのが驚きました。比較的
・無人のまちライブラリー、ゆるい運営、つながりを生む仕組み、生涯学習、フードlab等、話を聞かせていただくことで、まちライブラリーの可能性が広がったこと。
・まちライブラリーを通じたコミュニティ形成を色々取り組み事例を知ることが出来た。
遅れての参加で失礼しました。小林市のTENAMUさんが印象的でした。中高生の居場所になっていること、同感です。ふせんへの「いいね!」シールはいいなと思いまました。
・「まちライブラリーで 旅 をしよう」今回施設の「外」を見る事ができ地域に愛されるまちライブラリーの様子が感じられてよかった。
・発表者のお話しも、もちろん参考になりましたが、「ももかまち」さんライブラリーから派生して色々楽しまれているのに賛同できました。ありがとうございました。 「まちライブラリーで旅をしよう」楽しませていただけました。 再度、画面がでずにすみません。次回はうまくいきますように。 午後からまちライブラリー「北勝堂」さんにお伺いしました。 目から鱗がいっぱい。これからもよろしくご指導をとお願いしてきました。
・まちライブラリーの発表はとても参考になります。各地のまちライブラリーの写真も楽しく、コロナが収束したら訪ねてみたいと思いました。
・いつもありがとうございます。まだまだ知らない魅力あるまちライブラリーがあることを知れて嬉しいです。 本で地元の人たちをつなぐ活動を各地でされていること、心強く思います。 「てなむ」=「一緒に行く」の意味もよかったです!
・発表がすばらしかった
・うさみみまちライブラリーさんの、管理者がいなくても人と人とのかかわりが自然発生しているところを興味深く感じました。また、TENAMさんは勢力的にイベントを開催していらっしゃって、地域の文化拠点として機能していて素晴らしいと思います。
イベント等の集客が参考になりました。 発言が出来なかったのが残念でした。準備不足でした。すみません。
・イベントを沢山開催されていて、利用者さんが満足する仕組みが充実している印象。 本も多く、運営業務が大変そうと思いましたが フォーラム中にチャットを介して皆様と会話されたりする オーナー白石さんの気遣いをみて まちライブラリー@TENAMUビルの活気に繋がっているんだろうなと感じました。

Q3 イベントをお知りになった媒体を教えてください(複数回答可)。

Q4 今後のオーナーズフォーラムで取り上げて欲しいテーマや開催する曜日・時間帯、ご自身が発表したいなど、イベントにまつわるご要望を何でもお知らせください。

・オーナーじゃないのですがまちライブラリーに興味があって&好きで参加させていただきました。磯井先生の論文も拝見して場が重要であり私設公共施設内いとわず形態がいろいろあるのがすごいなとおもいました 自分もどこかでやりたいので、また参加させていただきたいです
・今のとこなし
・皆さんがどうやって本の集めているのか、知りたいです。
・またいろいろなまちライブラリー事例が知りたいです。工夫している点など。
・夜の時間帯は閉館の時間帯と重なってしまい、参加できずにいました。いろんな形のまちライブラリーがある中で、どうやって「らしさ」を出していくのかを考えています。
・平日15時以降。 今後も各オーナー2ヶ所ほどの施設・取り組み紹介をお願いいたします。
やはり、皆さんの活動方法をお聞きしたいです。 できれば、小さなまちライブラリーのお話しも。
・オーナーの皆さんのブックフェスタのイベント情報
・今回のまちライブラリー周辺紹介は、利用される方にも知ってもらえたらよいなあと思いました。
発表していただいたライブラリーさんの資料がとてもわかりやすくて良かったです。いただくことはできますでしょうか。
・よく借りられている本、各ライブラリーを象徴するような本などあれば教えていただきたいです。
・今後もみなさんの事案が聞きたいです。ありがとうございました。
・第二部の旅する企画は、とても楽しかったです。 皆様のライブラリーの様子が見て施設に行ってみたくなったし、愛着がわきました。 オーナーフォーラムだけではなくてサミットで行って、利用者さんにみていただくのも良いのではないでしょうか。

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