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第14回オーナーズフォーラム(2023年2月21日)報告

■第14回まちライブラリーオーナーズフォーラムレポート

まちライブラリーのオーナーたちがオンライン上で顔を合わせて、アイデアや悩みを共有する第14回オーナーズフォーラムを2023年2月21日に開きました。

 

■事例発表:本喫茶わかば (神奈川県・箱根町)

本喫茶わかばオーナーの廣田いとよさんは、結婚を機に夫の実家のある箱根町に東京から移住しました。もともと一箱古本市の主催など本に関わる取組みをしていたのですが、箱根には書店がなく、以前のように本の活動をすることが難しいこと、観光業以外の産業がないため東京でやっていた仕事ができないこともあり、夫の実家である空き家を使い、お店を開くことにしました。パティシエの経験を活かし飲食店許可を、加えて古物商の許可をとり、「本が読める、買える喫茶店」として2021年3月に開業しました。「わかば」という名前は、同じ場所でわかばという屋号でお土産屋をやっていたため。地域の人になじみがあるところから、昔の看板もそのまま使い、「本喫茶わかば」となりました。

まちライブラリー登録のきっかけ:地元のニーズと観光地ならではのニーズに応えて

まちライブラリーの登録をしたのは、2022年12月。その理由は、観光地という土地柄、重いものを持ち歩きたくない観光客のお客さんには大きい本が売れないこと、近所の方は読み終わったらまた手放したい人も多いので貸出してほしいという声があったこと、またリゾートバイトなど短期滞在で箱根に住んでいる方も多く、荷物は増やしたくないが、定期的に来店し、本の続きを読みたいといったニーズが生まれ、まちライブラリーの登録に辿り着いたそう。

客層は、週末は偶然前を通りかかった観光客が多く、平日は地元の方や飲食業や接客業で平日休みの方が調べてきてくれる方が多いそうです。

 

売る本と貸し出す本の分け方

売る本は読んでもらいたいセレクトした本を置き、貸し出す本は手に入りにくいもの、みんなに読んでもらいたいけれど自身が手放したくないものを並べています。自分の目の届くところにおいてあるので、お客さんが手に取ると、しめしめと思ってみているそうです。また若い世代は、本に慣れていない人もいるので、ドラマの原作漫画や深夜アニメの原作を並べたりして、手に取りたくなる工夫もしているそうです。

箱根にゆかりのある、福島から本や資料の寄贈の申し出

福島県相馬市にある、まちライブラリー@さとばたけ伝習館の畠中正一さんから、本喫茶わかばのある小田原・箱根と相馬市は二宮金次郎ゆかりの地で、さとばたけ伝習館で制作した二宮金次郎のカレンダーや、二宮金次郎に関する書籍を寄贈したいと申し出がありました。

 

小田原は二宮金次郎の出身地。相馬市は、二宮金次郎の弟子・二宮四大門人のうちと富田高慶と斎藤高行が相馬中村藩士として活躍。箱根では、同じく、二宮四大門人の『二宮翁夜話』を著して有名な福住正兄が、養子として継いだ福住家の旅館を二宮金次郎の教えを実践して営み、その旅館は現在も続いているそうです。

 

本喫茶わかばでは、箱根・小田原の歴史に関する本のコーナーを設置しているが、二宮金次郎に関する本はなく、近所の人から寄贈があったらおきたいと思っていたそうで、「ぜひお願いしたい」とオーナー同士でのつながりが生まれました。

 

■情報交換会

後半は、参加のライブラリーオーナーの活動の近況を伺いました。新規のライブラリーのはちとご文庫さんは、土日仕事をしているが土日に開館したいので、みなさんどうしているのかという相談があり、他のライブラリーオーナーから「無理せず開館せず、自分が活動をしにいく先に本を持って行っている」というアドバイスや「お店番を信頼できる人に頼む」といったアドバイスがありました。同じ悩みを持っているライブラリーさんからは自分の方針を理解してくれる人が来館者さんの中から出てきたらいいなと話していました。

ISまちライブラリーでは、月2回夜の時間帯にボランティアさんが開館してくれています。その時間帯に仮に来館者がいなくとも、ボランティアさん自身の楽しみをもって過ごす時間を目的にしてもらっていることで、積極的に関わってくれている事例を伝えました。

 

■全国のまちライブラリー、横のつながり

最後に、まちライブラリー提唱者の礒井さんからは、今回、まちライブラリー@さとばたけ伝習館から本喫茶わかばへの寄贈の申し出があったように、まちライブラリー@キッズラップ子ども第三の居場所山口宇部拠点が拡大にあたり、神保町のまちライブラリー@ブックハウスカフェが寄贈をするなど、ライブラリー同士の応援や助け合いが自然発生的に起きている話を紹介しました。事務局からは、ライブラリー探訪記のライター募集を呼びかけ、近隣のライブラリーを訪問しあったり、記事を書くことで自分のライブラリーを振り返り、特徴を知る機会にしてもらえればと締めくくりました。

 

ライブラリーオーナー限定のオーナーズフォーラムは2ヶ月に1回のオンライン開催です。次回の開催詳細・申し込みページはこちら

 

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