■第15回まちライブラリーオーナーズフォーラムレポート
まちライブラリーのオーナーたちがオンライン上で顔を合わせて、アイデアや悩みを共有する第15回オーナーズフォーラムを2023年4月26日に開きました。
■事例発表:絵本とこどもの本の図書館「ぎおんぼう」 (広島県・広島市)
今回は、ライブラリー開設から1周年を迎えた、絵本とこどもの本の図書館「ぎおんぼう」オーナー中山さんにお話いただきました。
図書館は3DKのアパートの間取りをそのまま使っています。玄関には絵本の「どうぞの椅子」のような木製の椅子に日替わりで絵本を飾っています。玄関を開けて靴を脱いで入ると、りんご箱に柿渋を塗った受付カウンターがあります。読み聞かせのできる絵本の部屋、自習机のある児童書の部屋、押し入れでも本が読めるこたつのある和室へ、みんな思い思いにお気に入りの場所で過ごしています。
開館して1年ちょっとで、これまでに貸出し用の会員証を作ってくれた方が約300人。総来館者数は5000人を越えました。多い日は30人以上がきています。1周年記念イベントでフリーマーケットをしたときは100人以上が来館しました。
まちライブラリー開設の経緯
中山さんは三人のお子さんがおり、成長した子どもたちが読まなくなった児童書や絵本をどうするか思案していたときに、ドキュメンタリー番組で「京都私設図書館」を知り、こんな空間や居場所を作りたい、絵本や児童書を地域でシェアできるのではと思い、奥様が所有する2階建てアパートの一階部分の空き部屋を、夫婦でこつこつと半年くらいDIYして2022年2月23日に開館。開館にあたっては、まちライブラリー提唱者・礒井の本を読み、その中でリブライズの事を知り、まちライブラリーとリブライズと京都の私設図書館を自分たちなりにミックスさせて運営にあたっているそうです。
図書館の場所は、道路に面したアパートの敷地から少し奥まった位置にあるため、近くにある公園やスーパーに向かう方がふと立ち止まるアイキャッチになればと、道路際に本の巣箱(リトルフリーライブラリー)を設置しています。その隣に赤い返却ポストも用意しており、そこに匿名で寄贈本を入れてくださる方もいるそうです。
他にも親子連れや小学生のこどもが一人で来て「読まなくなったからどうぞ」と、寄贈本をたくさんいただき、開館当初1000冊からスタートした本は、現在は約2500冊となっています。
図書館のとなりは、レンタルフリースペースとして開放。これまでに習字教室や離乳食サークル、ママ友会等に使われ、まもなく親子ヨガも始まるそう。
今後の展望
2023年の夏頃には、おしゃべりを楽しめるコミュニティカフェをオープンする予定。4月現在は壁の間仕切りを取ったり、壁紙を剥がしたりして夫婦でスケルトン解体している最中。お昼のランチタイム時はシェアキッチンという形にして日替わりで料理を作るのが好きなかたが現れたら嬉しいとのこと。また、今後の展望として、カフェが中高生の居場所になったり、学習支援もできたらいいなと考えているとのことでした。
■情報交換会
後半は、参加のライブラリーオーナーからぎおんぼうさんへの質疑応答や活動の近況を伺いました。増えてきた寄贈本や重複の本をどうしたらいいかと悩むオーナーさんが複数おり、ぎおんぼうでは、重複の本は、自由に貸出している巣箱に入れるなどして活用しているといったアドバイスがありました。