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まちライブラリー@大阪公立大学 探訪記

探訪&報告者:宝水幸代

訪問日:2023年1月28日

※まちライブラリー@大阪公立大学は2023年3月31日に閉館

まちライブラリーならではのイベント、「植本祭」。

その起点となった場所、まちライブラリ―@大阪公立大学へやってきました。

まちライブラリー@大阪公立大学は、大学に設置されたものとしては初めてのまちライブラリー。蔵書ゼロ冊から始めるという、なんとも斬新な取り組みが生まれた場所です。

受付で、とてもステキなものを見つけました。

「福栞」ですって。

「いくつでもどうぞ」の声に甘えて、自分の干支と、今年の干支でもあり、自分と同じ誕生日の作家ルイス・キャロルの不思議の国のアリスに登場する白うさぎの栞をいただきました。

かわいい!

蔵書ゼロ冊。本を植えて、みんなで育てるライブラリー

2013年4月、大阪市浪速区に大阪府立大学が開いたサテライトキャンパスに、40番目のまちライブラリーとして誕生したのが、まちライブラリー@大阪公立大学。2022年に大阪市立大学と統合したことに伴い、大阪府立大学から大阪公立大学へと名称が変わりました。

 

設置するにあたり、蔵書管理や施設の運用など難しい課題がたくさんあったのだとか。そこで「蔵書ゼロ冊から始め、市民の寄贈本を集めながら育てるライブラリーにしませんか」という礒井さんの提案が元になり、植本祭から始まりました。

2023年1月現在、蔵書数は1万200冊にもなったのだそうです。

さまざまなテーマを持った人々が、少しずつ、少しずつ、そして着々と育ててきたことが伝わりますね。

まちライブラリーをはじめ、まちなかにある小さな図書館が集い、お互いの活動を紹介しあう、「マイクロ・ライブラリー サミット」も、ここで2013年に始まりました。

「個人の力でどこまでできるか」。一人ひとりの勇気と行動力を頼りに、小さな図書館を作る人たちが集うこの活動が全国にまちライブラリーを広め、今日の私設図書館ブームの起点となりました。

本を起点に、人と人がつながる場所

今回ここへ来た理由は、ライブラリーカフェに参加するため。

ライブラリーカフェとは、会員が自身の趣味や興味のあることをテーマに開催するイベントのことです。

わたしが参加したのは、アメリカの作家ジュリアン・キャメロン著「あなたも作家になろう」を課題本としたワークショップ型の読書会でした。

 

この探訪記のきっかけになった礒井さんの「書いてみてくださいよ」。

この提案は、まちライブラリーの新連載を担当します、というだけではなく、一人の表現者として、自分のことばで書くことへの挑戦でもあります。

そんな、ある意味駆け出しの作家のような心持ちのわたしにとって、この読書会はとても特別なものとなりました。

ワークショップのおわりに、「このメンバーだったから得た学び」や、このあと挑戦したい「小さな一歩」を語り合ったのですが、ちがう属性、ちがう悩みを持っていても、やはり一つのテーマを目指して集った仲間なのだと感じたことをとてもうれしく思いました。

しかも今回、とてもステキなことが起きたんです。

参加者の一人が出版した同人誌を囲む「読書会」を、この会場のクローズまでに開催することが決まりました。満場一致。またこのメンバーですぐに集えるなんて!

一人の人が掲げたテーマのもとに、「それ興味ある!」という人が集まり、つながり、次へ進んでいく。そんな、まちライブラリーのテーマそのものを深く実感した日となりました。

わたしの「小さな一歩」ですか?

自分の本当にやりたいことをやっていくために、思いついたことを迷わずに書き、話をしたい人にはすぐにでも連絡をとる。人生は限られているんですもの。好きなことをやり切らなくちゃ!

本を植え、人が耕したまちライブラリーの収穫祭

まちライブラリー@大阪公立大学は、2023年3月31日をもって閉館します。

2013年の開館から、ちょうど10年。

1冊も本がない書棚にみんなで本を植え、人々が集まることで耕し、水を与えるようにして育ってきました。作った人がいて、利用する人がいる。利用する人々も、時とともに変わっていく。

「はじめはなんというか、大人の雰囲気を持った場所だったと聞いています。だんだんと、近くの日本語学校の留学生の皆さんなど、若い人が勉強に訪れるようになりました」

ライブラリーカフェや、大学の教員が自身の研究やライフワークを紹介する「アカデミックカフェ」を通して、たくさんの学びの場が広く市民に開かれたことも、ここならではの取り組みだったのではないかと思います。

 

コミュニティは生き物と同じ。生まれたとき、小さな時、学生時代、社会人、壮年期と役割やフェーズは変わり、それに伴って周りの人も印象も変わっていきます。コミュニティも同じ。人の一生と同じように、いつかは終わることもある。

まちライブラリーという場所は、そんなコミュニティの姿をつぶさに見つめることができる存在だということを、あらためて実感しました。

さて。

3月31日にはクロージングフォーラム「収穫祭」が行われます。

それぞれの想いや取り組みがどんな実を結んだのか、皆で味わい、感謝する。そして、次に向けて出発する、そんなお祝いの日にしましょう!

クロージングフォーラム「収穫祭」

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