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ライブラリー BAR 昭和 Factory 探訪記

訪問&報告者 :  梶正人
訪問日:2023年7月9日

ライブラリーBAR昭和ファクトリー

 

創造の源泉としての「まちライブラリー」の魅力

オーナーのマキプさんへのインタビューをとおしてライブラリーBAR昭和ファクトリーの新たなる挑戦が明らかになった。

祖父母が経営していた縫製工場の取り壊し予定に直面し、核家族社会における子どもとお年寄りの交流の機会の減少に危機感を抱いたマキプさんは、2019年11月にライブラリーBAR昭和ファクトリーをオープンさせることを決意した。

しかし、コロナ禍により一時休業を余儀なくされ、その後は昼間のカフェタイムに営業を切り替えたという。

「ライブラリーBAR昭和ファクトリー」と銘打たれたこの施設は、まちの人々が本を持ち寄ってくれる場所としての役割を果たしているが、マキプさんは今後有料化を視野に入れていると明かした。

ただし、彼女が強調するのは、この施設が単なる事業ではなく、本を通じて何かを実現したいという思いに基づいていることだ。また、参加者同士の交流を促すイベントの開催も試みているが、その難しさを感じているとも語っている。

一方で、マキプさんは「まちライブラリー」がもたらす楽しさについても述べている。

ひのマルシェという地域イベントでは、地域の人々が交流し、活動を通じて地域全体のポテンシャルが高まっているという。また、共同主催者のひとりはりボン作家としての一面を持っており、その創造力を施設や作品を通じて発揮している。

さらに、縫製工場ならではのマスク作りやワークショップなど、参加者が楽しめる体験型のイベントも開催されている。

わくわく読書会で使った本のタイトル「できそこないの男達」をもじって彼女は自らを「できそこない」と表現し、周囲の人々が主体的に活動できる場を提供することで、新たな創造の源泉を開拓しているのだと語る。

マキプさんが運営するライブラリーBAR昭和ファクトリーは、毎月第4日曜日に行われるイベントによって賑わっている。

そこには10人程度の主催者が集まり、絶え間ない来場者と共に自由な雰囲気の中でおしゃべりや交流が繰り広げられているという。

この新しい試みは、来客が少なくても参加者同士のコミュニケーションを重視している点が好評であり、子どもたちにとっても体験が豊かな時間となっている。

マキプさんの「まちライブラリー」は、彼女の創造力と社会的な関心の融合を示すものと言えるだろう。

本を通じた交流やイベントの開催など、彼女の新たな試みが地域全体に活気と新たな可能性をもたらしているのは明らかだ。

彼女の挑戦は今後も続くことであり、その成果がさらなる創造へとつながっていくことは間違いないだろう。

 

PS 当日はオーナーも交えての読書会となりました。
昭和のレトロ感のある「場」がイメージを膨らませてくれました。「本」をとおして「人」が繋がるあらたな一歩となりました。

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